ChatGPT(Codex)で進めていた仕事を、新しいチャットやClaudeへ渡したい。でも、ここまでの経緯をもう一度説明するのは大変です。
以前の私は、思い出せる範囲で説明をやり直していました。そのたびに一部が抜けたり、途中で却下した案を新しい決定として伝えたりしました。
そこで、仕事を替えるときに渡す「引継ぎセット」を決めました。
第3話が毎日の記録を整える話なら、今回は担当するチャットやAIが替わる瞬間に、何をどの順番で渡すかの話です。
これをやればOK
引継ぎでは、会話を全部渡す必要はありません。次の5つを、参照ファイルと一緒に渡します。
- この仕事の目的
- 現在地と完了したこと
- 確定していること
- まだ確認が必要なこと
- 次に行う作業
人間の担当者交代と同じで、「何の仕事で、どこまで終わり、何が残っているか」が分かれば動き始められます。
手順1 渡す側で引継ぎを作る
今のチャットへ次の文章を送ります。
この仕事を、別のチャットまたは別のAIへ引き継げる状態にしてください。
次の5つを短く整理してください。
1. この仕事の目的
2. 現在地と完了したこと
3. 確定していること
4. まだ確認が必要なこと
5. 次に行う作業
内容の根拠として、参照すべきファイル名と更新日も付けてください。
Obsidianの引継ぎファイルへ保存し、関連する確定事項・確認待ち・作業履歴も整合させてください。
未確認の内容を確定事項として書かないでください。
既存情報と競合する場合は上書きせず、両方を示してください。
パスワードや認証コードなどの秘密情報は保存しないでください。
最後に、新しいチャットへ最初に送る短い依頼文も作ってください。
手順2 渡す前に3点だけ確認する
AIが作った引継ぎを、そのまま送る前に次の3点を見ます。
- 最新の決定が「確定事項」に入っているか
- 未決定の案が「確認待ち」へ分かれているか
- パスワード、認証コード、不要な個人情報が含まれていないか
長文を細かく校正する必要はありません。「決定」「未決定」「秘密情報」の境界だけは人間が確認します。
手順3 受け取る側は、作業前に照合する
新しいチャットや別のAIへ、引継ぎと一緒に次の文章を送ります。
この仕事の引継ぎを受け取ってください。
最初に、会社情報の正本として指定された保管庫から、
00_AI作業開始.md、共通運用ルール、全体ダッシュボード、
この仕事の引継ぎ、確定事項、確認待ち、最新の作業履歴を確認してください。
引継ぎの内容と実際のファイルを照合し、
現在地、完了済み、未完了、本人確認待ちを短く説明してください。
内容が食い違う場合は、日付と根拠を並べてください。
ユーザーの最新の明示指示と、正本内の最新の確定事項を優先し、
判断できないことは勝手に決めず確認待ちにしてください。
公開、送信、削除、購入、設定変更は、実行直前に確認してください。
安全に進められる下調べ、整理、下書き作成は止めずに進めてください。
最後に、次に行う作業を3つまで示してください。
Claudeなどが保管庫を直接読めない環境では、必要な引継ぎファイルだけを添付するか、利用中の環境が対応する連携方法で共有します。読めない状態のまま「前回と同じ前提で」とだけ伝えないことが大切です。
失敗したこと
最初は、チャットの文章を丸ごとコピーして渡していました。
しかし、会話が長いほど、大事な決定が埋もれます。検討途中の案、訂正前の数字、雑談まで混ざり、新しいAIが古い内容を採用しそうになることもありました。
引継ぎは会話のコピーではなく、現在地を示す地図です。
正しい情報の置き場所を一つにする
AIごとに別々の会社情報を持たせると、どちらが新しいか分からなくなります。
私は、会社の正しい情報はObsidian保管庫を正本にし、チャットは作業場所として使っています。新しいAIが提案した内容も、本人が承認するまでは「提案」または「確認待ち」です。
引継ぎ後に新しい決定が出たら、チャットだけで終わらせず、同じ正本へ戻します。これで次の担当も、同じ場所から最新情報を確認できます。
引継ぎがあると、安心して仕事を止められる
ひとり会社では、途中で別の仕事が入ることが珍しくありません。
以前は「今やめたら、どこまで進めたか忘れそう」と感じ、区切りが悪くても続けていました。引継ぎを残せるようになると、途中でも安心して止められます。
長い説明文を書く必要はありません。
目的・現在地・決定・確認待ち・次の作業を、参照ファイルと一緒に渡す。それだけで、担当が替わっても同じ仕事を続けやすくなりました。
次回:AI秘書で利益を最適化する方法

